子供の成長を祝う七五三ですが、着物をどうするかなどは早くから準備しているのに参拝先や参拝の時どんな作法で行うかなどはあまり考えていないのではないでしょうか?

「作法など気にせずにとりあえずお参りすればいいんだよ!」と言うのも一つの正論かもしれませんが、せっかくの伝統行事なので、作法を事前に確認しておき、思い出に残る七五三にしてあげたいものです。

 

ところで神社とお寺、なんとなく違いは分かるけれど、漠然と同じようなものだと思っている人が多いのではないでしょうか?

子供の頃から神棚と仏壇が同居しているせいもあり神様、仏様とがゴッチャになっていても特に不思議にも思いませんでした。

過去には、お寺の中に神社が建てられたりした事もあったようです。

 

そもそも神社とお寺は「宗教」が違うんですね。神社は「神道」(しんとう)で、お寺は「仏教」です。当たり前ですけど、、、、。

「神道」は自然を神様と考え、それを崇拝する日本古来の信仰です。明確な教典もなく、天照大神(アマテラスオオミカミ)を最高神とする宗教です。

そういえば、天岩戸(あまのいわと)の天照大神は太陽の神様でしたよね。

 

仏教はインドでお釈迦様が創始し、聖典として「お経」があり、修行をすることにより悟りを開き来世で救われるという教えです。

元々は外国の神様です。

明治まで1000年位の長い間、神様と仏様は同じと言う信仰(神仏習合)が根付き、まだその影響があるんですね。

 

前置きが長くなりましたが、そんな神社とお寺ですが、おまいりにも共通している部分が多いのですが、違う部分もあるので、確認してゆきたいと思います。

神社のお参りの場合

①鳥居について
鳥居は神社の玄関にあたるので鳥居はから中は神様の住まう場所であることを示しています。
鳥居をくぐることが正式な作法です。


1.鳥居の前で立ち止まり帽子を取って一礼する。
参拝を終えて退出するときも、向き直って一礼しましょう。

2.参道は真ん中を避けて歩く
参道の真ん中は、神様の通る道だと言われていますので、中央を避けて、両端を心を落ち着けて歩くとされています。

②手水をとる


神社には、拝殿などの途中に、「心身を清める場」として手水舎(てみずや、ちょうずや)があります。

 <手水をとる流れ>

1.まず一礼をする。

2.右手でひしゃくを持ち、水を汲んで、左手を洗う
使う水の量は1回に柄杓の1/3程度。

3.左手に持ち替え、右手を洗う

4.再度右手に持ち替え、左の手のひらに水を受けて、口をすすぐ
柄杓に直接口を付けないこと。
含んだ水を左手で口元を隠して吐き出す。

5.再度、左手に水をかける。

6.柄杓を立てて、残った水が柄に流れるようにして柄を洗う

7.もとの場所に伏せて戻す。

※この一連の動作を一杯の水で行う。

③お賽銭を入れる

1.気持ちを整えた後、お賽銭を入れます。お賽銭は投げ入れず、滑らせるよう丁寧に入れる。

④鈴を鳴らす

鈴は神様を呼び出すものではなく、音色で場を清めるためのもの。鳴らしすぎないよう気を付ける。

⑤二礼二拍手一礼

二礼二拍手一礼(にれいにはくしゅいちれい)が、現在のお参りの基本作法となっています。

1. 姿勢を正し、深いお辞儀を2回行う
2. 胸の高さで、右手を少し引いて(ずらして)手を合わせる。肩幅程度に両手を開き、2回打つ。
3. 手をきちんと合わせ、心を込めて祈る
4. 深いお辞儀をする


お寺のお参りの場合

 

①山門を通る

1.山門の前では、合掌とともに一礼します。帽子はとる
合掌とは、胸の前で手を合わせる作法のことです。手を合わせるときには音を立てない

2.山門をくぐるときは敷居を踏まないようにします。

3.参道は真ん中を避けて歩く 

神社と違い真ん中は神様の通り道ではないが、人の邪魔にならないように左右どちらかを歩きます。

②手水をとる

手水舎があれば神社と同じ手順でOKです。

③お賽銭を入れる
お賽銭は投げずにそっと入れます。胸の前で合掌したまま一礼

④お焼香

親指と人差指、中指の三本でお香をつまみ、左手を軽く添え額の前に掲げます。お香は、静かに香炉に落とします。回数はわからなければ1回で良い。

お線香がある場合は、近くにあるロウソクなどで火をつけます。このとき、息を吹きかけて火を消さず、手であおいでそっと消すのがマナーです。

⑤合掌して祈願し、一礼する

胸の前で合掌し、一礼します。お願いごとは合掌したときにします。
仏教では二礼二拍一礼しないので注意してください。


 

神社とお寺のおまいりで大きくちがうのは、お寺は合掌、神社は柏手を打つと言うことと、お寺は線香をあげるところが大きく違います。

 

七五三のお祝いは、それぞれの地域によって風習も違いますし、常識とマナーも違いがあるかもしれません。

基本は神様へ子供の成長を感謝する気持ちがあれば何も問題はありませんが、日本の1000年以上も続く文化を将来へ残して行くためにもちょっとした作法だけでも、折に触れて子供と一緒に体験するのは価値のある事だと思います。

 

江戸時代に描かれた絵などをみていると、七五三などの通過儀礼を描いたものや当時の生活、遊びなどが描かれている物があります。現代に通じるものが多く、世相や文化も同じ歴史の流れの中にいるんだと実感します。

写真も時代の世相を映す物という意味では同じだと思います。

 

50年後に自分の子供達が当時の家族写真を見てその時のことを思い出してくれれば素晴らしいことだと思います。

 

写真や着物を通じて、お宮参り、七五三など今現在の日本の古来の文化が将来に残っていく事の一端を担えれば良いなと思う今日このごろです。

 

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